フルオーダー 「しもえもりのいえ」 お客様インタビュー

家族の「身の丈」を、
豊かにデザインしてくれた。

スーパーの袋が、
その辺にあったりするわけです。

Q.今回依頼したきっかけを教えてください?

仲の良い友人が、伊藤瑞貴建築設計事務所で自宅を建てたのです。その住まいを含めた実績のいくつかを実物や写真で見させていただき、相談したいと思いました。

Q.依頼する決め手になったことはなんでしょうか?

作り手の個性が必要以上に前面に出ていないことです。実は、依頼するまでに、他の様々な設計事務所の実績もチェックしました。要素を限りなく削ったスタイリッシュなデザインや、住まい自体がかつてなく新しい企てにも見えるアイデアなど、いろいろ勉強させてもらいました。感嘆するデザインはたくさんありましたが、自分の家族の住まいには、あてはまりませんでした。もちろん素敵なデザインを求めたいですけど、自分たち家族の暮らしがそこに想像できるかと問われると、少し疑問だったのです。

Q.それは「生活感」のことでしょうか?

はい。人が生活していれば、その辺にスーパーのビニール袋があったり、アニメのキャラが描かれた子供のおもちゃなどが転がっていたり、必ず生活感というものが出てくると思うのです。特に我が家は、育ち盛りの子供が二人いるので、いい意味で家の中はバタバタです(笑)。できれば、そういう状況を取り入れた上で素敵なデザインであってほしいと思いました。つまり、家族のありのままの、身の丈の暮らしを豊かに描いてくれる住まいに住みたいと考えたのです。

要望の前に、
暮らし方をわかってくれた。

Q.確かに、Tさんのご相談のスタイルにはその思いが表れていました。

僕は、相談するにあたって、自分を含めた家族の普段のファッション、趣味、乗っている車など、まさに現状の等身大の姿を、キーワードやビジュアル要素として、伊藤さんに提示させてもらいました。具体的な課題の前に、僕たちの暮らしの「あり方」を知ってもらいたかったんです。

Q.ライフスタイルを確認させてもらった後に、プランのご相談をいただきましたね。

はい。僕は、土間と玄関が一体になった広い空間を要望しました。自転車に乗ることが好きなのでそのメンテナンスをする車庫として、または日曜大工をする空間として、さらに、スノーボードもしているので、ホットワックスがけの場所として利用したいと思っていました。また、家族で寛ぎたい思いから広いウッドデッキもお願いしました。

Q.奥様からも他のご相談がありました。

そうですね。妻は、ヨガのインストラクターをやっているので、スタジオとして使える場所を2階に設けたいと考えていました。5〜6人の女性限定の教室で、開放的な気持ち良い空間をお願いしていました。南向きの、大きな窓のあるスペースを用意してほしいと伝えたように覚えています。

シンプルだけれども、
シンプル過ぎない洗練性。

Q.できあがって、実際に住んでみていかがですか?

いくつかお願いした要望に対して、暮らし方を踏まえた上での設計を丁寧に施してくれていました。シンプルなのだけれど、シンプル過ぎない。自分でいうのもなんですが、無理せず等身大で暮らしているのに、洗練性を感じます。無垢の使う量や、節目を故意に配しているところからそういう雰囲気が生まれているのでしょうか。暮らしながら、「ああ、僕の家族をわかってくれている」と、感じています。

Q.特にそう感じていただけたのはどの部分でしょうか。

吹き抜けです。今回、玄関に螺旋階段を設置して、そこから2階との繋がりをつくってもらっています。昨今の流れではリビングに階段を取り付けることが多いようです。でも、妻のヨガ教室のことや子供たちの遊ぶ空間など、今後僕たちが望んでいる1・2階リビングの使い方を踏まえてもらいました。また、当然なのかもしれませんが、夏の光の入り方や風の通り道など、住んでいる場所だからこその自然環境に配慮した造りにもしてくれました。

Q.お気に入りの場所は?

吹き抜けも好きですが、お気に入りは?と尋ねられると、リビング&ウッドデッキを挙げたいですね。リビングからつながるデッキは、非常に開放的に仕上げていただきました。屋内の床とデッキがフラットになっているので、庭に向かって広がる空間に、あまり境目が感じられません。視界がそのままに庭へ、そして空へ続いていく感覚です。気持ち良いですね。

Q.今、あらためて依頼してよかった思う点は?

やはり、身の丈にあった住まいのデザインをつくってくれた点です。その上で、柱の配し方や棚の設計などセンスに溢れる場所が各所に表れている。家づくりには様々な思いがあると思いますが、僕のように考える方は、ぜひ伊藤さんにお願いされてみてはどうでしょうか。

このたびは、取材のご協力ありがとうございました。

しもえもりのいえ